ニッショー.jp なごや女子部屋 望月律子

ニッショー 特別企画 人気のスタイリストに名古屋女子部屋のプロデュースをしていただきました

望月 律子PROFILE

女性ファッション誌「Domani」「GOLD」「Marisol」などを中⼼に活動中。
ベーシックでいながら洗練されたスタイルが人気。
トークイベントやブランドとのコラボアイテムの開発など、活躍の場を広げ続けている。
初の著書「望⽉律子のBASICTHEORY」が好評発売中。

『オシャレ』って、着飾るという事ではなくて…

自分らしい着こなし方とか、合わせ方を悩んだり、色々想像力を膨らませたりして楽しむ事だと思うんですね、それが〝ワクワク″とか〝ドキドキ″に繋がる。

そういう意味ではインテリアもファッションも『好きなモノを自分で選んで自分で味付けし、自分だけの世界観を作る事ができる』と思います。どちらもライフスタイルですよね。
だから与えられたモノだけで、『これでいいや』っていうふうに思ってしまうのは本当にもったいないと思います。できればそこに自分の空気感とか世界観を作って楽しんでもらいたくて、それはファッションでも来年はこれがトレンドだからこれを着ようとか、誰かが着ているからこれを着ようとかいう事ではなくて、きちんと自分の好きなベースがあるからこそ、『この中に入れるんだったらこれがいいな』っていう世界観を創ってほしい。大人になると自分の軸ってなんとなく掴み始めると思うんですけど、ベースの部分をきちんと守り続けて大切にする事がすごく大事だと思っていて、自分のベースを持ったまま上手な距離でトレンドと付き合ったほうが素敵になるっていうか、大人の女性として輝くと思います。つまりは軸となるベースと、トレンドのバランスを客観的にイメージして、『チャレンジしても背伸びはしない』という事かなと思っています。実はこれがベースです、私の。

人と会う時って、上半身で話しをする事が多いじゃないですか、テーブルに着いて。お仕事でも、お茶をした時でも。あとママ友とちょっとスイーツ食べに行くとか。そういう時に素敵なピアスとネックレスをしていると、その女性って細部にまで自分の事をきちんと意識しているんだなと思うんですね、それは見え方だけじゃなくて、心の余裕とかにも繫がるなって思っていて、例えばピアスが3、4種類あって、ブレスレットも3、4種類あって、ネックレスも3種類。でもこれって色んな合わせ方ができるわけじゃないですか、その中で色々楽しめてて、『今日はシャツでちょっと胸空きがあるから、ちょっと大ぶりのネックレスをつけてみようかな』とか、『服がシンプルだからアクセはもうちょっと手元も大きめにしてみようかな』とか、そういう日々のオシャレの中で、持ってる範囲で楽しんでチョイスして味付けをするっていう事まで、意識してる女性って、素敵だなって思うんですよね。…自分もそうでありたいので。

好きな自分になるには、

自分の好きなものに囲まれて生きるべきだと思います。友達も、お洋服も、お部屋も、やっぱり全部自分の好きなものに囲まれるべきだと思うんですね。それは自分で選ぶ権利があるし、別に嫌だったら買わなければいいし、嫌なお友達は付き合わなければいいし、プライベートでは自分で好きなものをやっぱりそうやって選択していくべきだと思っているので、そういう中で歳をとるとともに変わっていく自分と、変化を楽しんでいく事で好きな自分になれるのかなって思います。

“自分の好きな世界観が崩れない”っていうのが、私が今すごく大事にしている事です。

でも、いいと思ったけど、しっくりこないっていう時ってあると思うんですよ。そういう時は、何故なのかっていう事をきちんと考えるべきだし、向き合うべきだと思うんですよね。抜け出すというか解決するにはどうしたらいいか、何をどうしたら自分がスッキリするか、みたいな事。それが自分だけの自分らしい世界観ができていくっていう事に繫がると思います。

変化というかアップデートする事はいいと思うんですね。趣味が少し変わって、今までは黒とかネイビーが好きだったけど、急になんかちょっと赤が気になるっていう事があると思うんですけど、別にそれはいいと思うんですね、ネイビーと赤のコンビネーションを楽しめばいいわけですよ。
今まで好きだったモノと新しいモノのそのミックス感を楽しめばいいわけで、別に赤が気になるからって、赤の世界感にいきなり飛び込む必要はないわけですよね、交わったところを変化として楽しむべきであって、そこに今まで好きだったものと違うものに興味を持ててる自分に、成長を感じるべき。新しいモノと古いモノではなくて、今ままで好きだったモノとこれから好きな、好きになっていくモノっていうのをミックスした時に自分が思ってなかった良さみたいなのが見えて来ると思います。

『硬さの中にある柔らかさ』

自分の好きな世界観って自分が一番『ほっ』とできる。だからそのベースとなるインテリアはあえて固めに作って、少しづつ好きなもの、これから好きになる物をプラスしていく事で、程良く優しさがプラスされて、『あーなんかどんどん居心地よくなっていく』ってなるのかなって思うんですね。今回はそんなイメージです、まだ漠然としていますけど、シャープなイメージでお部屋造りのプロデュースをします。

今回私が考えたお部屋はシンプルで辛口なお部屋。

『箱』は辛口なんだけど、そこに住む方が女性なら小物だったり、雑貨とか家具を合わせる事で、硬さと柔らかさをミックスさせたお部屋になるし、男性であればシンプルで男前なインテリアになるように作っています。
例えば、クッションとかベッドのカバーを優しい柔らかい感じにすると、女性らしい部屋になるし、その反対側の物を入れるとイメージがガラッと変えられるっていうようにしたくて。

お部屋全体は、小さく分けるより大きな空間にして、でも何となくそれぞれのスペースが分かれてる…そんな感じです。

リビングから寝室に繋がる壁面を全部棚にするんですけど、棚板の厚みは華奢な感じよりも、しっかりとした棚板を使って、全部が飾り棚という事ではなくて、ところどころ引き出しになってたり、掃除機みたいに、わりと大きな物も入れて隠せるように扉をつけたりして、そういう収納を壁一面に備え付けで作ります。いわゆる壁面収納なんですけど、それが野暮ったくなってしまうと、部屋全体の世界観が崩れてしまうので、イメージは棚の背面と扉の色づかいで世界観は崩さないようにしたいんですね、色合いで。
そこでちょっとキリっとさせたいかなって思います。
どちらかっていうとザラリとしてるイメージ…マットな感じです。ここが一番肝になるので、この部屋の。そう、だからその色はチョコブラウン、チャコールグレーとちょっとダークブラウンの間みたいな…。
あんまり濃くして黒っぽく見えたくないっていうか、

その色でこの部屋の上品な感じを出したいなって…。

前回は、壁をブルーで、天井をストライプにしたんですけど、今回の基本は白。床の柄はヘリンボーンにしています。ちょっとデザインがあるほうがいいと思って。色合いは薄いグレーにしています。
ベッドを置く寝室は、木ですっていうよりも、少し淡い感じにしたくて、でもリビングとつながるように、同じ色合いのカーペットにしました。違う素材にするんですけど、きちんとつながる感じ。で、壁面の少し濃い色がアクセントとして入ってくるみたいな。
ただの白っぽいクリーンな部屋というよりは、きちんと感がある部屋になってると思います。

あと、ベッドを置くスペースは少し高くして、段差でなんとなく空間を仕切ってるっていう…二段くらいの。で、なんかそこに本とか置いてもかわいいのかなと思ったんですね。
でも上げた部分を無駄にしたくないのと、床を上げた分天井が低くなっちゃうじゃないですか、だからなんかこう狭く感じるというよりは、ここにちゃんと収納があって、ここで色んなものをしまえれば、スッキリと見せられると思います。

ちょっと大人のリッチ感

一番始めのイメージからちょっと硬い感じを出したかった…そう、硬いイメージにしたかったので、あんまりイロイロと要素がないほうがいいなと、イロんなもの詰め込んじゃうとゴチャゴチャしそうなので…。そう思ったんです。硬い感じなんですけど、何かちょっと、きちんと感があるっていうか、部屋自体に。あんまりラフな感じというようりは、配色もそうですけど、ちょっと大人のリッチ感を出しました。あとは実際に造る部屋が決まったら調整します。完成を楽しみにしていてください、私も楽しみ。

ちょっと洗練されたブラウン

今回は想定していた間取りと随分違ったので、このお部屋に合わせてプランを調整しました。
完成したお部屋を見るまでは心配だったんですけど、良かったです。イメージとは少し違いましたが、全体が上手くまとまって、住みやすい空間ができたと思います。

まずは玄関。入った時にほっこりする感じと言うよりは、もうちょっとこう、シャープでキリッとさせたかったので、グレイッシュなカラーにしてあります。床は普通に貼らないでヘリンボーンで表情をつけました。あとコートフックをつけて、ちょっとポイントにしています。
床のこういう色合いを私たちは『グレージュ』って呼ぶんですけど、ベージュとグレーのミックスした色。こういうニュアンスカラーって、靴を置いたり、バッグとかコートを掛けた時に、すごく馴染みやすいと思うんですよね、例えば赤いコートを掛けたり、色のあるストールとか掛けた時にすごく、インテリアになると言うか、相性が良いなと思いました。

リビングの棚の背面は、よくあるブラウンではないんですよね、ちょっと洗練されたブラウン。 あんまり重たい色にはしたくないけど、ただの白い世界観に収納があるっていう感じにしたくなかったので、この色を結構メインにしています。重たくはしたくないけど、この部屋全体を締める要素として。

生活していけば、この棚にテレビを置いたり、日常的な物が並ぶ訳ですけど、ここにシルバーのちょっと大きめな鉢みたいなものを置いてもいいし、上からグリーンを垂らしてあげたりしてもいいし。 もっと硬くしたければ、置くものをもっと硬めにすればいいし、逆にナチュラル系にしても、ある意味モダンというかスタイリッシュな部屋に仕上がるっていう事が、この色を選んだポイントです。

では最後、寝室ですね。床の素材は絨毯にしました。色合いも、さっきと同じような考え方です。でもリビングと寝室との気持ちの変え方っていうか、入った時にほわんとあったかい感じにしたいというのがあったので。
毛足が長くない物にしたので夏でも嫌じゃないと思います。色自体もそんなに重たくもなく、薄くもないのでベッドカバーとか合わせやすいと思います。 コートフックも、少しヨーロピアンな感じにしましたけど、程よい存在感と、馴染む感じがいいと思います。

あとは、このお部屋に興味を持ってくださった方に是非見て頂いて、気に入って頂けたら幸いです。