2006年、「Magnetic」のプレスに就任。後に2008年、「Bouvardia」ディレクター兼プレスに。2011年に「Le abel」を設立。
現在は、新ブランド「Abel」のディレクター兼プレスを担当する傍らプロデュース業も行っている。
インスタグラムは多数のフォロワーを数え、オフィシャルブログ「THE DAY」では日々の生活を綴っている。
そんなブランドディレクターである原田さんに、ニッショーのお部屋をプロデュースしていただきます。
食べることも生活することも身にまとうものも、その人がその人“らしく”生きて行くということ。
生活はたのしい、美しい、斬新という面白みのある生き方もまた人の暮らしをより豊かにするものだと私は思います。
“オシャレな部屋”の定義は人それぞれで同じ部屋でも家具や小物で随分とイメージが異なる。
配置や角度でも様々な表情を見せてくれる部屋が魅力ですよね。
季節で模様替えしてみたり、色を変えてみたり、ファッション感覚で楽しく個性を活かしてお部屋もカスタマイズしてもらいたいです。
ちなみに…私の家は全体的にホワイト×ダークブラウン。
フローリングがブラックに近いブラウンなのでどっちかというとメンズライクの雰囲気です。
あたたかみが欲しかったので小物に色味や天然の木、革を使ってます。
なるべく長く使えるモノを見極めて揃えるようにしてます。
そうすると、古き良き愛情が詰まったモノがどんどん増えていく家になるのだと思っております。
シンプルに生きるというのはモノにも言えますが、私は心の中にある言葉だと思ってます。
何かをしたからシンプルだ、何かを買ったからシンプルだ、ということではなく人それぞれの持つ感覚の中に存在していると思います。自分という人間が分かれば、暮らしはものすごくシンプルで楽になるのだと…
暮らしを楽しむ事こそがより良い“LIFE”だと思います。日々の何気ない生活の中でこそ、大切に!丁寧に!生きる事でおもしろい発想が生まれるのだと思います。
まずは原田さんにニッショーのお部屋をいくつか見ていただきました。
寺や社を訪れると美しい白の漆喰にどっしりとした力強い木が存在を光らせている。
この見事なバランスに私はいつも心が落ち着くのを感じます。
これをお部屋に活かしてみたいと思い今回は和風テイストをベースに。
日本人の繊細な雰囲気を出すために細く出した線。
真鍮の細さや木幅に共通をもたせる事でどっしりとした中に日本の心粋を感じてもらえると嬉しいです。
中世ヨーロッパテイストや古城、ワイナリーといった重厚感漂う香りも取り入れたく、ノブや小物や真鍮釘の打ち方を意識しました。
お部屋色は白漆、漆黒を基調としておりましたので初めはドアの色も黒の木を指定しておりました。
ところが、全体的にお部屋が暗くなる事が判明。
バランスってとっても大切なんだなぁ…と改めて認識し、ドアの色は天然木にし真鍮を打つ事で色味の統一を計りました。
足し算、引き算の組み合わせです。
壁のクロスは漆喰を表現したかったので漆喰を刷毛で塗ったような質感で暖かみのある白を選びました。
この部屋を気に入って頂き、そして住まわれる方に心身共にゆとりのある生活が訪れることを祈って。
洋風と少し古民家を意識したシンプルで暖かみのあるお部屋が出来上がりました。
清潔な雰囲気で風通しもよくたっぷり光りも入る明るいお部屋です。
玄関を入ると真鍮でできた華奢なランタン調の照明を壁に2つ。
天井に入れこまず壁にはめ込んだのは雰囲気を出すため。
廊下づたいにお部屋へ続くような流れも出るうえ玄関までのお客さんにも楽しんで頂けるように考慮しました。
バストイレは独立型なので共通した雰囲気で仕上げました。
タオル掛けやペーパーホルダーなどは真鍮と木材の組み合わせ。
脱衣所には収納も考え黒木で深めの収納棚も取り付けました。
大きなかごなども乗せられるので便利です。
今回お部屋の特徴として真鍮と木材を使用してます。
統一した木扉はオリジナルで作成、真鍮のノブがポイントです。
ダイニングとお部屋の間には採光も取り入れられるループ型の真鍮を硝子と共にはめ込みました。
下には黒木の飾り棚を付けたので季節のお花や植物を飾っても素敵です。
スクエアの多いデザインに真鍮の曲線が美しさを引き立たせてくれます。
お部屋と廊下を繋ぐ扉の上にも同様に採光を取り入れられるようにはめ込みました。
お部屋の収納には開き扉を使用。
真鍮小物でアクセントをつけた「蔵」風に。
ちょっとした所だけど毎日開く収納扉は目につく場所だからこそこだわりを。
色んな気持ちを持って帰ってくる日々をより豊かに過ごせるように気持ちのよい住空間を。
人を作り上げる「暮らし」という大切な基盤をこのお部屋と経験して頂けると幸いです。