望月 律子

女性ファッション誌「Domani」「GOLD」「Marisol」などを中心に活動中。ベーシックでいながら洗練されたスタイルが人気。
トークイベントやブランドとのコラボアイテムの開発など、活躍の場を広げ続けてる。
初の著書「望月律子のBASICTHEORY」が好評発売中。

my private

そんなスタイリストである望月さんに、ニッショーのお部屋をプロデュースしていただきます。

My Basic
chapter1

自分のベーシックを基本にすること

コーディネートは基本的に洋服もお部屋も同じ

コーディネートは基本的に洋服もお部屋も同じだと思っていて、やっぱり一番大事な事って、『自分のベーシック』を基本にする事。それは、白シャツとかデニムとかトレンチコートっていうスタンダードな物がマイベーシックでは無いと思っていて、例えばミリタリーのジャケットが好きっていう人もいるし、フリルのブラウスが好きって人もいる。そしたら、それが『マイベーシック』で良いと思うんですね。それを軸にしてブレないまま年を重ねていき、お洋服もグレードをアップさせていくっていう、自分の中でのアップデートっていうことを、マイベーシックを知った上でやっていく事が、すごく自分らしさに繋がるなっていうのを感じてますし、伝えたいと思って、お仕事をさせて頂いてるんです。

「ファッションを楽しむということが自分らしさに繋がる」

よく、同じようなVネックのニットをいつも買っちゃうんですよねとか、同じようなベージュのコートを買っちゃうんですよねって言うのは、失敗ではないと思うんです。それは何枚も同じような物を買ってしまうということは、買ってる期間の中でそのベージュのコートをアップデートさせてる訳であって、同じものをずっと着ている訳ではないし、大好きなこのベージュのコートっていうのが、自分にとってのマイベーシックになってる。で、じゃあフェミニンなものが流行ったときはベージュのコートだけどちょっとフレアなラインを買ってみようかなとか、シャープなトレンドが来た時は、ちょっと襟を立てて、ウエストベルトをキュッとしめて着てみようかなとか、そういうことでファッションを楽しむということが自分らしさに繋がると思っていて、それをお部屋のコーディネートで、何かそういう事ができたら面白いなと思っています。

CLOSET SPACE
chapter2

帰る場所ではあるんだけど、ワクワク、ドキドキする

クローゼットを中心に、小部屋みたいに作りたい

女の子って物が多いと思うんですよ、基本的に。アクセサリーとか、バッグだったり帽子だったりとか。そういう物をしまわずに置いておくスペースがあったらいいかな…女性って、なにか可愛いもの見ると「可愛い〜~!」ってなるじゃないですか。ああいう気持ちってすごく大事なので、大切にしたい。それをお部屋でっていうと、私にとってはクローゼットルーム。落ち着く場所であり、帰る場所ではあるんだけど、ワクワク、ドキドキする。
お部屋っていうのも、ただ落ち着くから帰りたいっていうだけじゃなくて、そういうワクワク、ドキドキがあるから、また帰りたいっていうのも凄くいいなって思って…イロイロ考えたんですけど、今回のイメージは…どの物件でもクローゼットがあると思うんですけど、私はやっぱりそこを充実させたいので、クローゼットを中心に、小部屋みたいに作りたいですね。一つの部屋の中にクローゼットがあるというよりは、棚みたいなものを仕切りにして、クローゼットのスペースを作りたいんです。クローゼットルームみたいな感じで、壁で仕切る部屋ではなく、他の部屋から見えるような作りにしたいですね。

ベーシックすぎないシンプルな感じ

棚で仕切るような感じにしたいので、壁面は全部棚にしたいんですよね。で、そこにバッグとか、デニムを畳んで置くとか、何か自分で箱を買ってきて入れるのか、そこは皆さんに自由に使ってもらうっていうようなスペースにして、フェミニンなものを置けば女の子っぽくもなるし、ちょっとシャープなものを置けば男の人もいけるのかっていうくらいな…女性でも甘いのが好きな人も、辛いのが好きな人もいて、私なんかは、すごい男っぽい部屋というか…なんですよね。
なんかこう女性向けってなると、どうしても甘めなイメージになりがちじゃないですか。というよりはもうちょっと、置く家具だったり、その人の持っている物で雰囲気を変えられるけど、ベーシックすぎないシンプルな感じにしたいです。もしスポーツが好きな方がいたら、そのスポーツの何かを置いて頂いてもいいし、本が好きな人だったら本。私だったらファッションが好きだから、バッグとか靴箱とかニットとか畳んで置いてあったら可愛いなと思って。
天井の柄はストライプにして、少し奥行を出しつつ、さりげないお部屋のアクセントに。それと壁自体は白なんですけど、どこか一箇所だけをちょっとグレイッシュなブルーとかにして…基本的にはグレーと白を基調としたお部屋にしたいんですね。なので、ストライプも淡いグレーと白とか?働く女性が、楽しく自分の世界感を作りながら暮らしていける部屋。暮らす人のマイベーシックと調和できる空間…そんなお部屋になるように考えてプロデュースしました。

Check Piont
  • wall

    アクセントは
    グレイッシュなブルー

  • wall

    ストライプの天井と
    壁がなんとなく繋がっている

  • wall

    シューズ達が並んで初めて
    完成するディスプレイ

  • wall

    通路とストックスペースの
    壁を普段使いのラックに

COMPLETE
chapter3

いつも自分の好きな世界観と、私がおすすめする世界観が融合していく

『気分を切り替える』ってすごく大事

このお部屋でどんな毎日、どんな時間をすごすイメージができるか?という事をポイントにして、どんな時間をすごせたらいいかな?って考えたんですね。
いろんな方がいろんなイメージができるように、全体のまとまりも、もちろん大切なんですけど、個々の空間造りに使う一つ一つのパーツ選びはこだわりました。特に最初に感じるイメージはとても大切だと思っていて、お部屋だと玄関。ただ靴を履いたり置いたりする空間ではなくて、ここにデイスプレイした靴を眺めて、今日は何履いていこうかな?って、毎日楽しんだり…シーズンが変われば靴を入れ替えて、季節を感じるとかできたら良いなと思って…入った瞬間に楽しくなったり、気分が上がるみたいな…。この空間を作る大切な要素なので、シューズラックも、タイルも素材感とか質感にこだわりました。イメージ通りに出来て良かったです。

通路を進んで始めの部屋?空間?は、あえて言うなら『自分の大事なルーム』。ただ収納するお部屋っていうのを作りたかった訳じゃなくて、ここに何を置くかは実際に住む方に決めて頂いて、収納として使いたい方はそれでも良いし、小部屋として雑貨を置いたりとかも良いと思う…ただ、『気分を切り替える』ってすごく大事だと思うんですね。例えば、お家に帰ってお仕事するんだったら、この部屋で集中してやるとか、ここで毎日のコーディネートを考えるとか、何かの準備をしたり何か作業する、みたいな空間を別にしたかったんです。とはいえ個室にしたかった訳じゃなくて、同じ空間の中でうまく切り替えが出来ると、お部屋の一体感みたいなものが出来て良いなと思ったんです。

“なんとなく”の仕切りはありながらも、住み始めてから楽しんで作っていって貰いたいから、なんとなく仕切ってる部分は提供して、あとは自分の世界観を自分で作ってください、っていうところですよね。やっぱりこの部屋は、この部屋に住む方のものですし。

いろいろチャレンジして楽しんでもらいたい

天井をストライプにしたのは、あえてこの柄の空間に、ごちゃっとした小物を置いたときの可愛さとかも楽しんでもらいたいなって。ブルーの壁の色に、ピンクを置いてもイエローを置いても、それこそ同じようなブルーを置いても白を置いても合うんだっていう、意外性も楽しんでほしいです。全体的にトーンは合わせてはいるんですけど、そういう柄とかちょっとした配色でなんかこう…ガラッと変わるというか、そういう感覚を楽しんでほしいっていうか…

ファッションもそうなんですけど決まりなんてないので、いろいろ試したり、チャレンジして楽しんでもらいたい。

シーズンによってクッションカバーの色や柄を変えて、部屋の雰囲気を変えて楽しむのもいいですよね。私も春夏と秋冬でクッションカバーを変えるんですね、春夏のときはストライプにしてみたり、秋冬のときは逆にモコモコした素材をポンと置くだけで、そのシーズンのお部屋に変わるんですよね、お部屋に入ったときに「秋冬になったんだな」っていう事を感じる。
本当にちょっとしたことでイメージって変えられて、普通になるかオシャレになるかって、そんなに大きな差ではないと思うんですね。お部屋もそうで、壁紙を変えたりとか家具を変えたりするのは簡単にはできないじゃないですか、だから、ちょっとしたことでイメージを変えて新しい一年を楽しむとか季節を楽しむとか、何かそういう事が出来るような部屋になっていると思います。

今回の企画で私がやりたかった事は、決して私の好みとか個性をこの部屋に詰め込みたかった訳ではありません。この部屋に住む方のライフスタイルとか趣味でいかようにも味付けして頂いて、いつもの自分の好きな世界感と私のおすすめするこの世界感が融合したり変化していくところを是非感じて楽しくこちらで過ごして頂けると幸いです。